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アサイ?フカイ?

20100414-6 西日本放浪ツーリング 長崎の夜2

稲佐山の帰り道、迷子になり、静かな住宅街ぽい所に迷い込んでしまった。
時間は8時半ぐらいだっただろうか。

こんな時は人に聞くのが一番。
でも、誰も歩いていない・・・
あっ、人発見。
スーツ姿の紳士で、私より少し年上に見える。

「すいません、婦人会館て、どこにあるか分かりますか?」
「聞いた事ないです。そこって何なんですか?」
「今日自分が泊まる宿で、バイクで出かけたら、場所が分からなくなってしまって・・・」
「住所は?」
「わかりません。そういえば、隣に中学校がありました。」
「このへんで中学校は〇〇中学校がありますけど、隣にそんな宿はありませんよ。」
「そうですか・・・」

マップル見ながら、あーでもないこーでもないと数分話したときその男性が、
「じゃぁ、私の家に行きましょう。すぐそばなので、そこで調べてあげますから」
「は、はい・・・」

正直、早く宿に行きたいって事もあったし、食事も商店街が閉まる前にしたかったので、
少し面倒くさいなぁ、とも思ったけど、ササッと終わると思ったので、付いて行く事に。

近いと言いながらも、200メートルぐらいあっただろうか、男性は小走り。
申し訳ないと思いながら、私はその後をバイクでとろとろ。

男性が立ち止まり、「どうぞ」と、建物の中に入っていった。
あれれ???
民家じゃないぞ?
すごく雰囲気のいい、アンティークなたたずまいの飲食店だ。
バーだろうか?
うーん・・・よく分からないけど、入っちゃえ!

店内はこれまたアンティークな雰囲気のお店で、男性はすでにカウンターに座っており、タウンページを開いている。
私も男性の右隣の席に座り、
「いや、宿の電話番号は携帯の履歴に残っていますよ。」
「なんだ、じゃあ電話して聞けばいいじゃないですか?」
「いやいや、聞いても、ここがどこか説明出来ないのです。」
「とりあえず電話して下さい。私が電話代わって、場所を聞いてあげます。」

電話をし、男性に携帯電話を渡す。

少し落ち着いて、店内を見回すと、私の右隣に小学生がDSのマリオで遊んでいる。???

男性が電話を返してくれて、女性のオーナーに紙とペンをもらい、地図を書き始めた。
20100414-6 西日本放浪ツーリング 長崎の夜2_a0098864_21385957.jpg
その時の地図。
地図を見ながら、細かい説明をしてもらった。
ばっちりだ。これで宿に帰れる。

出してもらった水を一杯飲みながら、キョロキョロしているとその男性が、私の隣の小学生を見ながら、
「息子です。」と言った。
なるほど。

気になっていたこのお店のことを聞いてみる。

このお店は、この男性の実家で、たまに夕飯を食べてから家に帰るのだそうだ。
男性の自宅は、ここから歩いて帰れる場所にあるらしい。
これで一安心。全く変な店ではなかったのでした(笑)

そうだ!この男性が今日も食事をして帰るってことは・・・
オーナーに聞いてみた。
「今日、まだ食事できますか?」
「ぜんぜん大丈夫ですよ。何にします?」
「長崎の名物って何ですか?」
「じゃぁ、トルコライスかな。」

トルコライス!聞いたことあるぞ。食べた事ないけど。

「じゃぁ、トルコライスお願いします!」

料理を待つ間、男性が雑誌の長崎ウォーカーを見せてくれた。そこには、この御店が出ているではないか。
20100414-6 西日本放浪ツーリング 長崎の夜2_a0098864_220516.jpg
話を聞くと、トルコライスでは有名店らしい。
今回のツーリングの食には、あまり恵まれていなかったので、しっかりご当地物、それも人気店だなんて、超ラッキーなのだ!
道に迷って迷子になってみるもんだね!

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じゃじゃ〜ん!初トルコライス(笑)
ピラフ、スパゲティ、カツ、サラダ、どれもなかなかのボリュームと味。あと、コーヒーまたは紅茶も付きます。
味噌汁もいただいちゃいましたけど、多分これは私のみのスペシャルと思われます(笑)

そうそう、こちらのトルコライスは、カツ以外に、数種類のフライやハンバーグを選択可能です。

男性も料理を頼み、私と一緒に食事をし、色々な話をした。
オーナーさんも交えて、トルコライスの歴史や、このお店の歴史。
どこから来たのか。どこへ行くのか。
どこへ行ったか。どこが良いのか。
長崎の話や横浜の話。
お互いの家族の話や、仕事の話。

あ〜、なんか楽しくなってきちゃったな(笑)

時計を見ると10時を回っている。
そろそろ行かないと・・・

料金を払い、席を立つ。
オーナーさんが、朝にでもどうぞとパンをくれた。
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普通のパンです(笑)
でも、朝飯抜きの日も多々あるので、とても嬉しい。

店の外に出る。
男性も小学生の息子さんを背負って帰り支度。
息子さんはすでに眠っていた。

ごめんね。お父さんと長話しちゃって・・・

男性にしっかりお礼を言い、固い握手をして別れた。

男性の書いてくれた地図は完璧。
全く迷わず宿に到着。

風呂に入り、今日一日の出来事を思い出す。
今日の朝思った、ステキな日になる予感は的中。
本当にステキな日、そして、長い一日となった。

布団に入る。

明日はどんな一日になるだろうか?

そんなことを考える間もなく、あっという間に夢の世界へ落ちていった。
by keen44 | 2010-05-12 22:55 | 201004九州